33日目 8月書評 その1

台湾から帰る飛行機の中で書いています。

とりあえず、台風は東北へ移動したようですので、成田は大丈夫でしょう。

良かった。

 

さて、今日の書評です。

「やさしさ」という技術 ステファン・アインホルン 飛鳥新書

 

まず、タイトルが目を引きます。

「やさしさって技術なの?」

やさしさって性格では?

つまり、先天的な感じ?

技術ということは、訓練すれば誰でも習得できる可能性が大きいということ。

本当にそうなのかと思いながら読んでみました。

 

ネタバレにならない程度に書きますが、

「確かに言われてみれば技術です。ただし、物凄くハードルは高い。

特に継続することはとても難しい。」

現在の社会環境では、困難を伴うでしょう。

なぜなら長期的なビジョンで誰も判断しないから。

その場、その場で利己的な判断し、自分に有利な条件が手に入ればよい。

そして、そのことが評価をされる。誰かのためにしたことなど、評価されない。

なぜなら、評価に時間がかかるし、評価されないものは人は忘れるから。

あくまで組織・個人への利益(特に短期的、金銭的な利益)が優先される。

よって、このような考えが支配的な世の中では、たぶん評価される前に

食い物にされ、報われない。

報われない人は、何も手にできない。

果たして、そこまでして「やさしさ」を続けることができるか疑問。

宗教的な方々や精神的なものに満足を感じる人は良いでしょう。

 

殺伐とした世界だから、このような本が売れるのでしょうが、

多分、人の行動は変わらない。

 

だってラクしてすぐに手に入るのであれば、カンタンな方法に行くでしょ。

資本主義社会とは、どこから収奪するのか?を考えている社会。

格差を利用して収奪する社会だよね。

社会全体の許容度が落ちている中では、実践することは難しいですね。

 

すごく良い本ではあるが、この本を読み、何千人、何万人と実践する人が

いないと意味がないですね。

でも、「もう少し周りにやさしくするか」とは思うけどね。